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目標の設定 |
1年以上も前の話ですが、新聞に当時の厚生省が「2001年に肥満の人の割合を4人に 1人から6人に1人とするという目標を掲げていたが、実際には3人に1人になってしまってい ることがわかった」という記事を載せていました。 ここで問題にしたいのは、数字のことではなくて”4人に1人”から”6人に1人”にするため にどういうことを実行しようとしたかということです。 我々の周りにはたくさんの「目標」があります。例えばQMSを構築し運営している組織で は品質目標やそれらを組織の各階層にブレイクダウンした目標などを設定していると思いま す。 私はIT関連企業のサポートをさせていただくことが多いのですが、ソフトウェアで言うと「出 荷のバグ件数を○○個/klineにします」とか、運用系だと「年間のミスを○○件以内にします」 という目標が多く見られます。それらの目標はとくに悪いとは思いませんし、そのIT企業を利 用するお客様から見て安心して任せられるかということを考えれば、最終的にはそのような指 標に落ち着くのかも知れません。 しかし、冒頭に申し上げたとおり、問題はその目標を達成するために何をするかという点 です。 ハッキリ言って、例えば「年間のミスを○○件以内にします」という目標を掲げるだけでは 本当に達成されるのか現実味がありませんし、一生懸命ミスの数をカウントしても状況がわか るだけで、適切で迅速な手が打てるとは思えません。最悪の場合は年度末にミス数を集計し てみて、目標達成かどうかを見て、達成できなかった場合には「また来年頑張ろう!」というか け声をかけて終わりという事態に陥ります。 「年間のミスを○○件以内にします」というような目標は一般的に「達成目標」と言います。 「達成目標」を決めたなら、それをどうやって実現するか「達成のための施策」が考えられなけ ればなりません。そして適切なタイミングで状況を分析し、今後の対応を行うための指標を定 めなければなりません。これらは「行動目標」と言えるでしょう。 この「行動目標」に当るものをしっかりと設定しなければ、1年経たなければ結果がわから ないということにもなりかねませんし、何より期限に到達するまでの間の活動を全くコントロー ルできないことになります。 「達成目標」と「行動目標」は対になって設定されなければいけません。「達成目標」を設定 したとき、「達成するためには何をすれば良いの?」「どういう状況だと順調だと判断して良い の?」ということを、まず自分自身に問いかけてみてください。 そうすれば自ずとより具体的な「行動目標」が設定でき、活動しながら「達成目標」への到 達状況がわかり、最終的なゴールに向けて活動をコントロールできるようになるでしょう。 |
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